人類は今までになく無責任になっている。その上自分が何を望んでいるのかもわからない。人類はそれなのに自分のことはホモ・サピエンスと称して知性・叡知があると自負している。
我々が種々な提案をしても多く人はその提案の基にある叡知を聴くのでなく、それをして自分に如何なる利益があるかないかでしか対応しようとしない。実利な生活の中に幸福があると思っている人が多すぎる。
不満があって無責任な神々ほど危険なものはない。ガザ住人も、国際的に認められたパレスチナ自治政府ではなく、ハマスに頼る人が多い。国の力が及ばない領域を、侵食する非国家主体が出てきている。イエメンのフーシ、レバノンのヒズボラ、アフガニスタンのタリバン、イランとロシアは、非国家を巧みに利用し欧米中心の秩序を揺さぶっている。イランは、イスラエル軍事攻撃等を重ねるヒズボラ、フーシを支援している。ロシアはアフリカの強権指導者らへ近づいている。
非国家には法や制裁の力は及ばないことが多い。我々が、唯一の行動指針としてきた「法の支配」が崩れかかっている。その恩恵を受け過ぎた日本人は団結して世界平和のために行動する義務がある筈である。そのためにはまず自分の先入観や固定概念、常識を覆し視野を拡げ新しい目で物事を眺められるようにする必要がある。
令和6年5月31日 廣 田 稔