日本人ファーストを掲げた参政党、躍進したと言っても14議席にとどまる。
だから、それを過大視して日本にもトランプのようなポピュリズムの潮流が拡散しそうと嘆く必要はない。
一方、日本人ファーストを批判した外国人共生を重視する立憲民主党は、参院選で議席を伸ばせなかったというも、公示前と同じ22議席を獲得した。
自民党は、今回でも立憲民主党議席を上回る最大党である。よく頑張ったとの評価もできるはずである。しかし、外国人規制について、参政党に追随したように見えた。いかなる配慮をしたか、その原因を一度聞きたいところである。更に、今回の石破降ろしの流れが見苦しく、ついていけないし、反社会性を帯びていると思っている。
国家は、軍事力・経済力及び、伝統や文化に基づくソフトパワーの総合力である。日本はそのソフトパワーでの一等国を目指す以外、生きる道はない。
そのソフトパワーを身につけるには、客観的にSNSを見分ける科学的なカメレオンの目をもって考える力、及び知性を磨く必要が大である。
そのためには、「理解できること」のリストを長くする以上に、「理解できないこと」のリストを長くすることの方が、人間の知的な成長にとっては良いことなのかもしれない。(内田樹著「知性について」81ページより引用)
その上で、「自由か平等」かという二者択一ではなく、「自由も平等」もという困難な共生の道を選び、生きていくことの他、日本の再生はあり得ないと思う。
令和7年7月27日 廣 田 稔